第7章 臨床疫学

(C)医療研修推進財団, 2006



7.3 基本的な統計

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7.3.1 2つの集団の平均値の差の検定と信頼区間の推定(分散が等しい場合)

1.検定
2.信頼区間の推定
 
95%信頼区間
3.計算例
2つの集団から無作為にそれぞれ15人、12人抽出して、血圧値(単位mmHg)を測定した結果、平均値は、分散はであった。
両集団の血圧値の平均値の差の検定および95%信頼区間を求める。
  95%信頼区間
t=149.5-131.9
ここでは95%信頼区間の範囲に0が含まれていない。
検定結果でも有意差ありと判定され、検定と信頼区間推定の結果に矛盾がない。

分散が異なる場合については、統計学の教科書を参照

[参考] t分布表の抜粋(p=0.05, p=0.01のみ)





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7.3.2 比較的大きな標本の場合の正規分布を仮定した簡略計算方法

1.検定
Z≧1.96のとき、有意水準5%で有意差あり
Z≧2.58のとき、有意水準1%で有意差あり
2.信頼区間の推定
 
95%信頼区間
3.計算例
2つの町の住人から無作為にそれぞれ45人、55人抽出して、血圧値(単位mmHg)を測定した結果、であった。
両血圧平均値の差を検定し、95%信頼区間を求めよ。
  95%信頼区間

[参考] 正規分布表の抜粋



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7.3.3 2つの集団における割合の差の検定と信頼区間の推定

1.検定
Z≧1.96のとき、有意水準5%で有意差あり
Z≧2.58のとき、有意水準1%で有意差あり
2.信頼区間の推定
 
95%信頼区間
3.計算例
2つの町の住人から無作為にそれぞれ40人、50人抽出して、血圧を測定した結果、高血圧と判定された者の数は、であった。
両集団の高血圧者の割合に差があるかどうかの検定および差の95%信頼区間を求めよ。
  95%信頼区間
ここでは95%信頼区間の範囲に0が含まれていないので、検定結果では有意水準5%で有意差ありとなる。


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7.3.4 2×2分割表による2つの属性の関連性に関する検定

1. 2つの属性の有無に基づく分割法

属性B
属性Aありなし
ありa+c
なしb+d
a+bc+dn(=a+b+c+d)

2. 関連性がないと仮定した場合の各区分の期待値の計算

属性A「あり」 属性B「あり」の期待値
属性A「なし」 属性B「あり」の期待値
属性A「あり」 属性B「なし」の期待値
属性A「なし」 属性B「なし」の期待値
上記の期待値のいずれかが5未満のときは、Fisherの直接確率計算法を用いる。



標本サイズが大きいときはYetesの補正をする必要はないが、計算式は簡単なので個体数に関わらず常に補正するとよい。

4. 計算例

 インフルエンザの流行があり、予防接種をしていた者は罹患した者150人のうち105人、罹患しない者250人のうち200人であった。予防接種は罹患の予防に役立ったといえるか。

予防接種
インフルエンザ罹患ありなし
あり8535120
なし19545240
28080360





[参考]


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最終更新日: 2006年 09月 07日
執筆者名: 柳川 洋,所属:埼玉県立大学学長